キャタピラー  あらすじ・解説など



若松孝二は問う。「正義の戦争が、どこにあるのか」

前作「実録・連合赤軍」から2年。赤軍の若者たちが立ち上がった背後には、親世代の戦争責任を問い、再び戦争に荷担しようとする国家への怒りがあったはずだと若松孝二は言う。戦争とは何なのか。国家のために、人が人を殺すとは、何なのか。「正義の戦争が、どこにあるのか」映画の全編に貫かれているのは、若松の叫びである。戦争の20世紀を経て、今もまだ同じ過ちを繰り返すこの世界に若松はこぶしを振り上げ、叫び続ける。血にまみれた大地のにおいを忘れるな。焼けた遺体のにおいを忘れるな。

(C)2010 若松プロダクション  キャタピラー 公式サイト
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映画 『 キャタピラー 』 
[2010年日本] R15+

【2010年8月14日公開】[ 上映劇場 ](84分)

監督:若松孝二 脚本:黒沢久子,出口出

【キャスト】
寺島しのぶ,大西信満,吉澤健,粕谷佳五,増田恵美,河原さぶ,石川真希,地曵豪,井浦新(ARATA),篠原勝之

忘れるな、これが戦争だ……

戦争とは、

人間が人間に、犯され、切り刻まれ、焼かれることだ。

人が、人を、犯すことだ。
人が、人を、切り刻むことだ。
人が、人を、焼き殺すことだ。

(あらすじ)

巨大なキノコ雲の、あるいは降り注ぐ焼夷弾の、
あるいは大量虐殺の、その下に潰される前、
灯りの灯った小さな家々には、
男が、女が、年寄りが、子どもがいた。人間がいた。
食べて、寝て、食べて、寝て、食べて、寝て…。

傷痍軍人が、帰還した。
勲章をぶら下げ、軍神となって。
妻を殴ったその手も、妻を蹴り上げたその足も、
戦地で失い、頭と胴体だけの姿になって。
―銃後の妻の鑑たれ。家庭は最後の決戦場なり。
口もきけず、耳も聞こえず、身動きできない体となっても
男の性欲は変わらなかった。女は毎日、男の上にまたがった。
口に粥を流し込み、糞尿の世話をし、男の下半身にまたがり、
銃後の妻の日々は過ぎていく。
食べて、寝て、食べて、寝て、食べて、寝て…。
稲穂が頭を垂れる秋、そして冬から春へ。

敗戦が色濃くなっていく中、
男の脳裏にフラッシュバックしてきたのは、
かつて、大陸で犯した女たちの悲鳴、
刺し殺した女たちのうつろな目。女たちを焼き尽くす炎。

1945年8月15日。男に女に、敗戦の日が訪れた――――。

( チラシより )


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     【ネタバレ注意】

     江戸川乱歩の『芋虫』とドルトン・トランボの『ジョニーは戦場へ行った』をモチーフにしたという『キャタピラー』に?…

  2. ゴリラも寄り道 — Trackback 2010/09/03

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  3. 映画@見取り八段 — Trackback 2011/10/23

    【キャタピラー】ある意味衝撃的な復讐劇

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