映画「 劔岳 点の記 」の感想


2009年07月01日 劇場鑑賞

頑固だからこそ成し遂げることができる。いや頑固ではなく、こだわっているからこそ成し遂げられる。そのこだわりが強くなることが信念となるのかも知れない。そこには他人から見れば、それは偏屈であったり理不尽なことかも知れない。人それぞれの価値観の相違が完成した作品に対する見方が異なるということは誰しも理解していることだと思います。木村大作監督は「劔岳 点の記」公開前にテレビ露出が多く、そこで頑固オヤジというイメージが強く焼きついてしまっていました。映画監督自身がテレビ露出して宣伝するということは少ないことだと思います。単なる頑固オヤジであれば多分テレビへの出演は行わないのではないか?と、今回「劔岳 点の記」を観て感じました。

長年多くの映画撮影を行ってきたカメラマンだからこそ他の監督には撮れない映像もあるのだと強く感じさせられた映画でした。そして強い信念を感じる映画でもありました。強い信念を持った監督でなければ悪環境の中でのリーダシップは発揮できない、強引かも知れない、理不尽かも知れない、しかし成し遂げた時の感動をキャスト・スタッフが絶対に味わえるという目標を信じて突き進んだ情景が伝わってきました。順撮りで撮影され、険しい山岳を突き進む映像と風音は迫力がありました。そこに映し出されるキャストの方々の姿も素晴らしかったです。その姿が物語りでもあり、自然と共存する姿が演出でもあると感じました。自然という舞台では下手な演出は不要なのかも知れません。

ただ決して面白い映画ではないと思います。ストーリーもとてもシンプル。もし自分が若い時代に見ていたらつまらないと思ったかも知れません。しかし年を重ねたことで価値観が変わり、この「劔岳 点の記」を味わえたのかも知れません。もちろん若いから味わえないというわけではありません。人それぞれの置かれている環境や価値観で異なってくると思っています。

強いこだわり、信念を持って作ったからこそ木村大作監督は「これが映画だ!」と言えるのかも知れません。製作サイドのセリフとしては間違ってないと思います。

ただ見る側としては「これ“も”映画!」と言えるのではないでしょうか…

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