映画「 アヒルと鴨のコインロッカー 」の感想


2007年07月11日 劇場鑑賞

原作の伊坂幸太郎さんの映像化作品は「陽気なギャングが地球を回す」「CHiLDREN チルドレン」そしてこの「アヒルと鴨のコインロッカー 」と3本を見たわけですが、映画としての完成度は3本の中で、この「アヒルと鴨のコインロッカー」が一番高いのではないかと思いました。但しいつものように原作を知らずに映画を見ているので前半の何ともいえないテンポの悪さが気になるところなのですが、この部分は非常に重要な部分です。ここでしっかり瑛太さん演じる河崎に注目することが後半の面白さの度合いが変わってきます。どうもこの河崎という人間が怪しいんです。

濱田岳さん演じる椎名は大学入学のために仙台で暮らすことになったのですが、引越し先のアパートの隣人・河崎に声をかけられるところから物語が始まります。
2人の距離を縮めたのがボブ・デュランの「風に吹かれて」です。この河崎、椎名の逆隣に住むプータン人の留学生に広辞苑をプレゼントしたい、それも買ったものでなく、本屋から強盗をして・・・と、わけわからんちんな話を椎名に持ちかけます。そして行動に移し、盗んだものが「広辞林」。これちがうぢゃぁ?ん!って、ギャグな話かと思ったら大間違いでした。この本屋襲撃の裏には、深く重く悲しい理由があるのです。

とにかくこの映画、狭い世界の中の話なのですが様々な要素が含まれていると思います。
人種の違い、動物虐待、犯罪者に対する罪への疑問、恋愛、弱いものを守る勇気、宗教的な価値観、そして病・・・。これだけの要素が入ってしまうと中途半端感があるのですが、ここらへんが巧く凝縮されています。そしてこれらの要素を包み込む「風に吹かれて」。この曲の持つ本当に意味を理解しているわけではないのですが、なんとなくでも十分にこの映画の本質にリンクしていると思いました。

そしてこの物語は瑛太さん、関めぐみさん、物語の後半のとても重要な役を演じた松田龍平さん3人の話なのですが、この関係を解き明かして行くのが濱田岳さん演じる椎名なのです。椎名の存在は、この物語において、重く暗く悲しい話を緩和させる存在です。
これらのキャスティングが絶妙にキマッていました。

神様=ボブ・ディランとし、人を傷つけると、生まれ変わった時に必ず痛い目にあうというブータン人の考えの基に復讐するときは神様を封じ込めるます。この行為、そして濱田岳さんと瑛太、2人の関係がタイトルの「アヒルと鴨のコインロッカー 」に巧くリンクした映画です。

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