映画「引き出しの中のラブレター」感想
この映画「引き出しの中のラブレター」における“ラブレター”とは、“恋文”でなく“愛文”、恋人だけではなく、親愛なる人に、言葉に出来ず、心という引き出しに閉じ込めてしまった“愛文”。原作は新堂冬樹さんで、8月に公開された「ぼくとママの黄色い自転車」と同様、とても素敵なお話でした。物語は常盤貴子さん演じるラジオパーソナリティ久保田真生を中心とした、幾人かのドラマが、絡み合いながらストーリーが展開して行きます。親子の関係、恋人との関係、祖父との関係、夫婦の関係など、緻密に計算された様々な人間模様は見事でした。
ラジオパーソナリティが北海道のリスナーに会いに行くという設定は若干の違和感は感じますが、物語の良さ、そして終盤の感動が、その違和感を打ち消してくれました。
電子メールという便利なツールが現れた現代、昔に比べ心の中を打ち明けやすくはなっているものの、やはり手紙との重さの違い、そしてインターネット上の文字でなく、ラジオの電波を耳で聞くことの感じ所の違いの良さが伝わってくる映画でした。普段気づかない両親や子供、孫、祖父母、恋人など心をこの物語を通して、想いに敏感になれる映画だと思います。
ただ、美しい物語に企業の実名があまりにも見えすぎるのは、せっかくの気分を現実に戻してしまうのではないでしょうか?美しい物語というイメージが美しい素敵なオフィスだったというイメージの方が強く残ったのがとても残念です。
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